【TECLAST P85T】は、2023年9月に発売された8インチのローエンドAndroidタブレットです。全体的なスペックは高くありませんが、最低限必要な機能に絞り込むことで、非常に安価な価格を実現しています。読書や動画鑑賞など、基本的な用途に十分な性能を備えた超格安タブレットと言えるでしょう。以下、詳細なレビューをお届けします。
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⇩スペック紹介記事はこちら⇩
TECLAST P85T のスペック
機種名 | TECLAST P85T |
カラー | ・ミントグリーン |
ストレージ | 64GB(EMMC5.1) +1TBまでmicroSD対応 |
メモリ | 4GB(LPDDR4X) +6GB拡張可能 |
サイズ | 縦 :201.7mm 横 :122.4mm 厚さ:9.1mm 重量:340g |
ディスプレイ | パネルタイプ:IPS サイズ:8インチ 解像度: (800 × 1280) アスペクト比:16:10 ピクセル密度:ppi 輝度:nit リフレッシュレート:60Hz タッチサンプリングレート:Hz |
プロセッサ | Allwiner A523 |
バッテリー | 5,000mAh 有線充電速度: 無線充電速度: |
カメラ | ・メインカメラ 2MP ・フロントカメラ 0.3MP |
生体認証 | |
対応バンド | Wi-Fi専用 |
Wi-Fi | WIFI2.4G+WIFI5G 802.11 a/b/g/n/ac |
Bluetooth | 5.2 コーデック: |
位置情報 | GPS、GLONASS、Galileo、BeiDou |
オーディオ | デュアルスピーカー 3.5mmイヤホンジャック |
センサー類 | 重力センサー、ホールセンサー |
防水・防塵規格 | |
OS | Android 14 |
その他 | Google Widevine DRM L1 ※一部サービス |
TECLAST P85T はメタルボディで高級感を演出
開封・同梱品の紹介
今回はAmazonで購入しました。パッケージにはカラフルなメーカーロゴと中国語でタブレットの説明が記載されていますが、特に「P85T」と分かるような表記はありません。これは、同社他製品とパッケージを共通化することでコストダウンを図っていると考えられます。
化粧箱背面についても各種認証マークこそ記載されていますが、簡易的なスペックすら無く本当に発注した商品が来たのかはこの時点ではわからない状態でした。
違う製品が来ることはないので安心して購入してください。これは、製品価格をより下げるための一つの企業努力です。
内容物の紹介
内容物はタブレット本体と充電器と充電ケーブル、そして取扱説明書が同梱されています。
充電器は日本のコンセントに対応した10Wの速度のアダプターです。
本体外観の紹介
本体は金属素材で高級感のあるデザインです。1万円台の格安タブレットには樹脂製のチープな筐体の製品も多い中、本機のデザインは非常に好印象です。しかし、本体下部に製品名と各種認証マークの入ったシールが貼られており、少し見栄えが悪くなっています。おそらく、筐体を他の製品と共通化するためにシールで製品を識別しているのでしょう。
これも少しでも安価で提供しようとしているメーカーの努力の証。ユーザーはシールが嫌ならはがせば良いわけです。
アウトカメラは1つのみです。他社の格安タブレットに見られるような、見栄えを意識した大きなカメラユニットなどはなく、むしろシンプルで扱いやすいデザインと言えるでしょう。
平らにできたら、そうあってほしいですが。
上部側面には充電口とmicroSDスロットを備えます。microSDカードは本体に直接差し込むタイプなので、盗難等に注意が必要です。
そして下部側面にはスピーカーが2基。
背面向かって左側側面には電源ボタンとマイク穴と音量ボタン。
そして背面向かって右側には3.5mmのイヤホンジャックを搭載しています。
保護フィルムは初期装備だけど質は低め
本体ディスプレイ面には初めから画面保護フィルムが貼り付けられていました。しかし、指の滑りが悪く指紋もつきやすいため、長期的に使用する場合は別途ガラスフィルムなどを用意することをおすすめします。
専用ケースは同梱せず、別途調達する必要あり
本機には残念ながらカバーが付属していません。メーカー公式の手帳型カバーはAmazonで1,000円強で購入できます。この公式カバーは、開くとスリープ解除、閉じるとスリープ状態になるウェイクアップ機能に対応しています。また、AmazonやAliExpressではサードパーティ製のカバーも購入できるので、好みに合わせて選ぶと良いでしょう。
本体重量は347gと少し重め
メタルボディによる高級感と引き換えに、本機の重量は347gと8インチタブレットとしてはやや重めです。軽量化を重視した設計ではないことが伺えます。特別重いわけではありませんが、ALLDOCUBEの8インチタブレットのような驚くほどの軽さはありません。
また、別売りの公式のカバーを付けた状態では448gとなります。
手帳型のカバーは重くなりがちです。
重さ厚みが相まって少し持ちにくさがある
本機の厚みは9.1mmと、8インチタブレットとしてはやや厚めです。重さもあり、持ちやすいとは言えませんが、当ブログでレビューしてきた8インチクラスのタブレットの中では最もコンパクトなサイズです。
次期モデルは厚みや重量感を抑えたモデルであってほしい!
⇩ 8インチタブレット重量比較表 ⇩
サイズ | 公称重量 | 長辺 | 短辺 | 厚み | |
ALLDOCUBE iPlay50mini | 8.4インチ | 292g | 202.7mm | 126.0mm | 7.5mm |
iPad mini 6 | 8.3インチ | 293g | 195.4mm | 134.8mm | 6.3mm |
ALLDOCUBE iPlay50mini Pro NFE | 8.4インチ | 306g | 202.7mm | 126.0mm | 7.5mm |
ALLDOCUBE iPlay60mini Pro | 8.4インチ | 310g | 202.7mm | 126.0mm | 7.9mm |
Headwolf FPad5 | 8.38インチ | 320g | 202.0mm | 125.0mm | 7.5mm |
ALLDOCUBE iPlay60 mini Turbo | 8.4インチ | 323g | 202.7mm | 126.0mm | 7.9mm |
TECLAST P85T | 8インチ | 340g | 201.7mm | 122.4mm | 9.1mm |
Blackview Tab5 | 8インチ | 355g | 211.2mm | 126.2mm | 9.7mm |
UMIDIGI G1 Tab mini | 8インチ | 368g | 201.6mm | 124.5mm | 8.9mm |
Redmi Pad SE 8.7 4G | 8.7インチ | 375g | 211.58mm | 125.48mm | 8.8mm |
TECLAST P85T はお値段以上の8インチIPS液晶ディスプレイを搭載
スペックは決して高くないが8インチエントリータブレットとしては十分満足なディスプレイ
本機は8インチのIPSディスプレイを搭載しています。エントリークラスのタブレットとしては発色も良く(やや濃いめの色合いですが)、美しいディスプレイと言えるでしょう。720p(HD画質)の動画再生には問題ありませんが、解像度は800×1280と控えめなので、高精細な画像表示を求める方には向いていません。しかし、解像度が低くても画面サイズが小さいため、そこまで画質にこだわらない方にとっては粗さは目立ちにくく、価格を考えれば十分満足できるスペックと言えるでしょう。
屋外での視認性の悪さは液晶ディスプレイの宿命
ディスプレイ輝度の公称値は不明ですが、屋外での視認性が良くないことから、およそ300~400nit程度だと推測できます。低価格帯のタブレットでは、これ以上の輝度を実現している製品はほとんどなく、液晶ディスプレイの技術的な限界と言えるでしょう。しかし、屋内での使用には十分な明るさがあるため、主に屋内で使用するタブレットとしては問題ありません。
画面リフレッシュレートは60Hzのみ
本機の画面のリフレッシュレートは60Hzのみです。
TECLAST P85T は随所に英語が残っているものの最新のAndroid14を搭載
Android14で安全で快適な操作性を実現
本機は、購入当初から最新のAndroid 14を搭載しています。Android 14は、従来のAndroid 13と比べてカスタマイズ性、プライバシー保護、パフォーマンス能力がそれぞれ向上しており、ユーザーにとってより使いやすく、便利で安全なOSとなっています。
カスタマイズされていない素のAndroidで翻訳がイマイチ
搭載されているAndroid 14は便利ですが、日本語に翻訳されていないメニュー項目があり、非常に使いにくい箇所がいくつか見られます。特にカメラアプリの設定項目は全て英語表記のままです。なんとなく意味は理解できますが、今後のアップデートで改善されることを期待したいところです。
TECLAST P85T のストレージは64GBで1TBのmicroSDに対応
本機のストレージ容量は64GBと少なめです。初期状態で使用されている容量は7.4GBと少ないため、50GB以上の空き容量が確保されていますが、それでも容量が不足する場合にはmicroSDカードを活用しましょう。
前述していますが、microSDカードの取り扱いには注意しましょう。
TECLAST P85T は動画視聴用のタブレットとしての活用が最適
AnTuTuベンチマークテスト(V10 lite)の結果
SoCに「Allwiner A523」を搭載しているこの端末は、AnTuTuベンチマークテストVersion10.2.4(lite版)にて約16万点と、現代のスマートフォンやタブレットの中ではかなり低いスコアを記録します。SNSやWeb閲覧といった軽いコンテンツ消費でも動作のもたつきを感じることがあり、普段ハイエンド端末を使っている人にとってはストレスを感じるかもしれません。
しかし、本機はエントリーモデルであり、価格を考えれば妥当な性能と言えるでしょう。ゲームプレイなどを目的とした購入はおすすめできませんが、動画視聴に関しては、一度再生してしまえば通信環境が悪化しない限りは問題なく最後まで再生できます。動画視聴専用として割り切って使うのであれば、大きな不満を感じることはないでしょう。
⇩AnTuTu V10のタブレットスコア結果⇩
機種名 | スコア | プロセッサ |
ALLDOCUBE iPlay60 mini Turbo | 538,874 | Qualcomm Snapdragon 6 Gen 1 |
ALLDOCUBE iPlay60mini Pro | 404,542 | MediaTek Helio G99 |
Headwolf FPad5 | 391,297 | MediaTek Helio G99 |
ALLDOCUBE iPlay50mini Pro NFE | 383,417 | MediaTek Helio G99 |
ALLDOCUBE iPlay60 lite | 280,367 | UNISOC T606 |
Redmi Pad SE 8.7 4G | 271,720 | MediaTek Helio G85 |
ALLDOCUBE iPlay50 mini | 246,689 | UNISOC T606 |
HiGrace C107 | 186,642 | Allwiner A523 |
TECLAST P85T | 166,026 | Allwiner A523 |
UMIDIGI G1 Tab mini | 131,438 | Rockchip RK3562 |
Blackview Tab 5 | 6,7174 | Rockchip RK3326S |
あくまでエントリー帯のローエンドタブレットです!
設定でRAM容量を追加可能
① 「設定」を開く
② 「システム」をタップ
③ 「Memory Expansion」をタップ
④ 好きな容量を選択する
⑤ 再起動
設定より上記操作を行うことで仮想メモリを設定することが可能となっており、本機は最大で6GB拡張できます。もともとのメモリ容量は4GBと少なく非力なのですが、この設定をすることで10GBものメモリ容量を実現します。ストレージに余裕がある場合はより快適な操作体験をするために、本機能を活用することをお勧めします。
空きストレージ容量を活用するため、データをたくさん保存してしまうと機能しないので注意です。
TECLAST P85T は5,000mAhだけど省電力性能は低め
省電力性能は今後の最適化に期待
バッテリーテストは「PCMark for Android」にて、画面リフレッシュレート60Hz、輝度音量共に50%固定して実施しました。その結果、バッテリー残量100%から20%になるまでに6時間26分を要しました。つまり0%になるまで使用を続けた場合は約8時間2分かかる計算となります。本機のバッテリー容量は5,000mAhと一般的なスマートフォンと同等程度ですが、最適化の問題か省電力性能は低い結果となりました。今後のアップデートで改善される可能性はありますが、長時間充電できない環境で使用を検討している人にとっては痛手となります。
⇩タブレットバッテリーテスト記録⇩
機種名 | 記録時間 | バッテリー容量 |
ALLDOCUBE iPlay60 mini Turbo | 20時間8分 | 5,500mAh |
ALLDOCUBE iPlay60 lite | 13時間39分 | 8,000mAh |
Headwolf FPad5 | 13時間35分 | 5,500mAh |
Blackview Tab13 | 12時間41分 | 7,280mAh |
Blackview Tab11 | 11時間43分 | 6,580mAh |
Blackview Tab6 | 11時間16分 | 5,580mAh |
ALLDOCUBE iPlay60mini Pro | 11時間15分 | 6,050mAh |
ALLDOCUBE iPlay50mini Pro NFE | 10時間10分 | 5,000mAh |
Blackview Tab12 | 9時間11分 | 6,580mAh |
ALLDOCUBE iPlay50 mini | 9時間18分 | 4,000mAh |
Blackview Tab5 | 9時間1分 | 5,580mAh |
TECLAST P85T | 8時間2分 | 5,000mAh |
UMIDIGI G1 Tab mini | 7時間38分 | 5,000mAh |
HiGrace C107 | 6時間21分 | 5,000mAh |
充電速度は10Wに対応
充電速度は10Wに対応しています。
満充電まで気長に待ちましょう。
TECLAST P85T は一応デュアルステレオスピーカーを搭載
音質は及第点 問題はスピーカー配置
本機のスピーカー性能は価格相応です。決して良い音質とは言えませんが、YouTube動画を流し見する程度であれば特に不満を感じることはないでしょう。ただし、2基搭載されているスピーカーは本体の同じ側に配置されているため、横向きに持った際には片側からしか音が聞こえない点に注意が必要です。
動画は基本横向きで見るので、実質シングルモノラルスピーカーです。
3.5mmイヤホンジャックを搭載 Bluetoothにも対応
本体の上側側面に3.5mmのイヤホンジャックを搭載し、またBluetoothにも対応しています。音質を求める人は外部のスピーカー等に接続することをお勧めします。
TECLAST P85T は生態認証に非対応 ロック解除はパスワード等
本機は顔認証もしくは指紋認証システムに非対応となります。端末にロックをかける場合はPINやパスワード、パターンを解除する必要があります。
セキュリティ性は問題ないですが、利便性に難あり。
TECLAST P85T のカメラはおまけのおまけ 無いものと考えても良い
アウトカメラ(2MP)
アウトカメラは1つのみのシングルカメラ、2MPの低解像度イメージセンサーを採用しています。スペックとしては令和に発売されている全てのスマホ・タブレットの中で最底辺にあると言っても過言ではありません。実際に撮影した写真もスペック通り、フォーカスも合わず解像感は低く、色味も少し哀愁漂うどんよりした感じとなります。
まぁ、エントリー帯のタブレットなので!足りない点は全てこう思うにしましょう!
インカメラ(0.3MP)
インカメラはアウトカメラよりさらにスペックの低い0.3MPのセンサーを採用しています。言い換えると30万画素で、ガラケー並みの性能の低さとなります。
TECLAST P85T の動画性能は写真同様に悪い
本機のカメラで撮影できる動画は、本機の写真性能並みに質の低いものとなります。動画撮影がしたい場合は、ポケットに入っているスマートフォンで撮影するようにしましょう。
手持ちのスマホの方が良い写真・動画を撮影できるに決まっているので、あえて本機のカメラを使用する必要は全くありません。
TECLAST P85T は技適を取得したWi-Fi専用タブレット
SIMカード通信は不可能
本機はSIMカードを使用した通信が不可能です。Wi-Fi専用機となります。
技適にはしっかりと対応
本機は日本のアマゾンでも販売されており、技適にも対応しています。認証マークは本体裏のシールや化粧箱で確認することができます。
TECLAST P85T はあくまで屋内使用を想定した設計
GPS搭載もカーナビにはなりえない
本機はGPSを搭載しているため、位置情報を取得することが可能です。しかし、その精度は悪く、カーナビとして活用してもスムーズに現在位置が追従せず、尺取虫のように10m置きに移動するような挙動をします。そもそもWi-Fi環境下でないと地図が読み取れないため、カーナビとしての用途としては向かないタブレットです。
天気アプリなど大まかな位置の把握の際は問題なく役に立ちます!
防水防塵性能はなし
残念ながら防水防塵性能についてはありません。お風呂や荒天時の屋外での使用は控えましょう。
Widwvine L1認証
本機はサブスク系映像コンテンツを高画質で見るために必要となる「Widevine L1」に対応しています。ただしホームページ上Netflixについては対応しているとの文言が見当たらないため、非対応であると思われます。ご注意ください。
当方、ネトフリの検証ができません。すいません。。。
TECLAST P85T の価格
Amazon定価
⇒ 12,990円
まとめ:セール時は1万円を下回る動画視聴用8インチタブレット
記事の中では不満点をつらつら書いてしまいましたが、本機はあくまで低価格のローエンドタブレットであり、屋内で動画を手軽に視聴するための安価な8インチタブレットと捉えることでその真価を発揮します。8インチタブレットとしての立ち位置的には【UMIDIGI G1 Tab mini】と似ていて、1080pの動画を視聴するための最低限のスペックを揃え、不要なカメラ性能やSIMカードによる通信機能等を切り捨てて価格を最小限に抑えたタブレットであると言えます。就寝前の動画視聴用タブレットとしてご検討してみてはいかかでしょうか。