中国のイヤホン専用メーカー「SOUNDPEATS(サウンドピーツ)」より2023年10月に発売された軽量フラグシップTWS(ワイヤレスイヤホン)の【SOUNDPEATS Air4 Pro】についてレビューをします。無線充電こそ対応していませんが、アンダー1万円ながら音質から付加価値に至るまで全てが高いレベルにまとまった、SOUNDPEATSだからこそ生み出すことのできたTWSとなっています。
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SOUNDPEATS Air4 Pro のスペック
機種名 | SOUNDPEATS Air4 Pro |
色 | ・ブラック ・ベージュ ・ホワイト |
寸法・重量 | イヤホン重量:約3g(片側) ケースサイズ:64 × 24.2 × 48.3mm ケース重量 :約36g(イヤホン含む) |
SoC | QCC307 |
ドライバーサイズ | 13mm バイオセルロース複合振動板 |
マイク | 計6基(片側3基) |
対応コーデック | AAC,SBC,LDAC,aptX Voice,aptX Classic, aptX Lossless,SBC,AAC,LDAC |
Bluetooth | バージョン 5.3 通信範囲:10m |
バッテリー | バッテリー容量:330mAh(ケース) 35mAh×2(イヤホン) 最大再生時間:約6.5時間(イヤホン単体) 約26時間(ケース併用) |
充電仕様 | 充電時間:約1.5時間(イヤホン本体) 充電ポート:USB Type C |
アクティブノイズキャンセリング | -45dB Adaptive ANC対応 |
通話時ノイズキャンセリング | -50dB |
外音取り込み | 対応 |
防水規格 | IPX4 |
専用アプリ | 対応 |
その他 | カナル型 タッチコントロール マルチポイント 装着検知 専用アプリ対応 技適マーク取得済み |
SOUNDPEATS Air4 Pro はうどん型かつカナル型かつ軽量ボディ
開封〜パッケージの紹介
パッケージは製品の写真を大きく表示した白を基調とした正方形でコンパクトな化粧箱を使用しています。筆者が購入したカラーバリエーションがホワイトですが、その他のラインナップのブラックやベージュの場合はそのカラーに合わせたパッケージとなっているようです。
パッケージに日本語の表示はなく背面には商品の説明が英語でつらつらと記載されています。また、各種認証マークが表示されていますが、その中には技適マークを確認することができます。
内容物の紹介
本体の他には交換用サイズ違いのイヤーピースが2セットと、充電ケーブル、そして日本語表記に対応した取扱説明書が同梱されています。
本体外観の紹介
充電ケースの表面はまるで車のボディのような光沢のあるパールホワイトで塗装されています。蓋の境目はオフホワイトのマットなラインがあしらわれており、ワンポイントの入ったデザインです。また、充電確認用のLEDランプが一つ埋め込まれています。LEDランプは充電ケースの電池残量をその色や点滅・点灯でお知らせしてくれます。
充電ケース裏面は蓋のヒンジ部に社名の入ったプレートが埋め込まれています。
下部には充電用ケーブルの差し込み口(USB Type C)と、リセットボタンを備えます。充電口の周囲はメッキ加工が施されていて、高級感を感じることができます。
側面の片側にはシルバーのプレートが埋め込まれていて、「Near Your Imagination」と刻印されています。
筆記体読めないので、間違っているかもしれません。汗
イヤホンは差し込むかたちで収納
イヤホンは通称「うどん型」で、棒状の部分を充電ケースに差し込むかたちで収納します。磁力で吸着されるので充電ケースからイヤホンが容易に落下してしまうことはなく、収納する際も吸い込まれるように中に入っていくので非常に扱いやすいです。
イヤホン本体は充電ケースとは違う表面をしていて、艶消しの樹脂素材で設計されています。この素材感が「Air」と名の付く通り、軽い素材にこだわて造られていると感じることができます。電子デバイスは「軽い=チープに見える・感じる」となりがちですが、本機は表面の艶消しの加工の仕方やそのデザインで決してチープに見えることはありません。
イヤホン本体には接続状態確認用のLEDランプはありません。
左右に合計6基のマイクを搭載
マイクが計6基搭載されており、通話時やアクティブノイズキャンセリング時に機能します。
長時間使用も疲れることのない軽量TWS
イヤホン本体の片方の重量は実測で4.7gという結果でした。公称値は3gとなっていますが、これはイヤーピースを外した状態での重量であることと思われます。とは言え、後述する高いスペックを備えたTWSがこの重量に収まっているのはSOUNDPEATSが長年培ってきた技術の賜物であると言えます。
また、イヤホンを含む充電ケースの重量は約47gです。例えば同社の【SOUNDPEATS Opera 05】は総重量が60gを超え、比較すると20%以上の軽量化を果たしているモデルであることが分かります。
コンパクトモデルは「Mini シリーズ」、軽量モデルはこの「Air シリーズ」を選べば間違いなし
本機はとても軽いため耳から落ちにくく、取り扱いがとてもし易いです。筆者は耳の形状が小さく、合う形のTWSになかなか出会うことができませんでしたが、本機はその軽さから落ちにくくとても気に入っています。同じようにイヤホンが耳に合わずよく落としてしまう人は、一度本機を試してみることをお勧めします。
⇩コンパクトなモデルが好きな人にはこちらがお勧め⇩
https://gadget-chest.net/soundpeats-mini-pro-hs-review/
SOUNDPEATSはバリエーション豊富で、わかりやすくてとても好き!
SOUNDPEATS Air4 Pro は2台のデバイスに同時接続が可能
接続方法は一般的で超簡単
接続方法については一般的なTWSと同じ。充電ケースの蓋を開けてイヤホン本体を取り出すことで接続待機状態となります。この状態のまま接続したい機器側で設定を行うことでペアリングが完了となります。もちろん、一度でもペアリングした機器とは今後、充電ケースを開けてイヤホンを取り出した時点で即接続状態となります。
Bluetooth5.3による安定した接続を実現
干渉防止機能の大幅な向上と、より安定した接続が可能な最新のBluetoothバージョン5.3を搭載しています。人通りの多い場所や電車の中でも通信が途切れにくく、かつ消費電力や遅延を低減する高い接続安定性があります。
マルチデバイス接続機能に対応
また、本機は同時に2台のデバイスに接続することのできる「マルチポイント」機能に対応しています。
SOUNDPEATS Air4 Pro の最大-45dBの強力なノイキャンに対応
アクティブノイズキャンセリングは最大-45dBと超強力
周囲のノイズをカットしてくれる機能の「アクティブノイズキャンセル(ANC)」に対応しています。その強度は最大-45dBと強力で、電車の中や街中でも音楽鑑賞に没頭することができます。この-45dBは、現存するTWSの中では最大級に強いANCと言えます。
状況に応じてノイズキャンセリング効果を自動調整する「Adaptive ANC」に対応
また、周囲の状況に応じてノイズキャンセルの強度を調整してくれる「Adaptive ANC」に対応しています。無駄に強いANCは不快感を覚えるだけでなく電力消費が激しいため、この自動調整機能は移動しながらの音楽鑑賞に常に最適化してくれる優れた機能です。
少しずつ対応機種が増えているこの自動調整ANCは、今後のTWSのトレンドとなりそうです。
外音取り込みモードに対応
アクティブノイズキャンセリング機能を備えたワイヤレスイヤホンでは必ず搭載されている外音取り込みモードですが、本機も漏れなく搭載されています。イヤホンのタッチ操作で切り替える音が可能なので、レジでのお会計の際など、音楽を止めることもイヤホンをわざわざ取り外すことも必要なく会話を聞き取ることが可能です。
SOUNDPEATS Air4 Pro は「aptX Voice」で最高の通話品質をサポート
Bluetoothで高音質な音声通話をサポートする「aptX Voice」に対応
本機は、高音質の音楽鑑賞を実現するワイヤレスオーディオコーデック「aptX」の音声通話版とも言える、Bluetooth高音質音声通話コーデックの「aptX Voice」に対応しています。通常のBluetooth音声通話サンプリングレートは16kHzですが、この技術では倍の32kHzの超広域音声通話を可能とします。相手の音声を聞くだけでなく、自分の声を届ける双方向の音声接続において高解像度の通話が体験することができます。
通話時ノイズキャンセリング機能を搭載
さらには、cVc通話ノイズキャンセリング機能も搭載されており、左右に搭載された計6基のマイクが機能することで周囲のノイズをカットし、クリアな声を相手に届けることができます。
イヤホンを用いて通話を良くする人にも最適なTWSと言えます!
SOUNDPEATS Air4 Pro はロスレスコーデック「aptX Lossless」でCD品質の再生を実現
「aptX Adaptive」コーデックでビットレートを最適化
本機はQualcomm Snapdragon Soundに対応しています。aptX系のコーデックが豊富に対応しており、通信状況に応じてビットレートを自動で調整してくれるコーデックである「aptX Adaptive」に対応しています。常に最適化された音楽鑑賞を実現し、さらには最大で96kHz/24bitのハイレゾ相当のオーディオ体験を可能とします。
さらなる上位コーデックの「aptX Lossless」にも対応
また、さらに上位コーデックとなる「aptX Lossless」コーデックにも対応。「aptX Adaptive」は最大の音声伝送速度は990kbps(1秒間に990キロバイト)ですが、「aptX Lossless」コーデックでデバイスと接続した場合はそれを上回る最大1.2Mbps(1秒間に1.2メガバイト)の速度を実現します。これは、ほとんど有線接続と同じデータ量で音楽を視聴することができる状態です。より高容量高解像度の音源を接続デバイスとTWS間で通信することでより高音質なオーディオ体験を可能とします。
接続しているデバイスがこれらのコーデックに対応する必要があります。iPhoneは非対応です。
13mmのダイナミックドライバーはSOUNDPEATSオリジナルのバイオセルロース複合振動板を採用
本機は同社オリジナル技術となる植物由来のバイオセルロース素材を含む3種類の材料を使用した振動版を採用し、ナチュラルで繊細かつダイナミックな音楽を再生することができます。また13mmの大型ドライバーを搭載しており、「aptX Adaptive」や「aptX Lossless」といった高データレー トの接続時でも音源の高い再現性を実現しています。
「バイオセルロース」「パルプ繊維」「PU素材」といった3種類の特性の違う素材を組み合わせてできた、あらゆる音の再現ができる振動版です!
筆者の聴いた感想(aptX Adaptive 環境)
筆者は残念ながら「aptX Lossless」を再生できる環境がなく、「aptX Adaptive」を用いて96kHz/24bitのハイレゾ音源を視聴しました。まず、ANCで静寂の空間に引き込まれて再生された瞬間その音楽に飲み込まれるような没入感を体験することができました。音質は非常にバランスの取れたサウンドを奏でてくれる印象です。低音が強調されていることもなく長く聞いていても疲れることはありません。軽さも相まって長時間使用するに適したTWSと言えるのではないでしょうか。
性能を最大限に引き出すには最新のデバイスとロスレス音源が必要です。
SOUNDPEATS Air4 Pro は豊富なタッチ操作に対応
内容 | 操作方法 |
電源オン | ・イヤホンをケースから取り出す ・イヤホンを1.5秒ロングタッチ |
電源オフ | ・イヤホンをケースに戻す ・イヤホンを10秒ロングタッチ |
再生 / 一時停止 | イヤホンを2回タッチ |
音量を上げる | 右のイヤホンを1回タッチ |
音量を下げる | 左のイヤホンを1回タッチ |
次の曲 | 右のイヤホンを1.5秒ロングタッチ |
ANC / 外音取り込み / ノーマルモード切替 | 左のイヤホンを1.5秒ロングタッチ |
電話を受ける / 切る | イヤホンを2回タッチ |
着信拒否 | 着信中イヤホンを1.5秒ロングタッチ |
通話切換 | 通話中イヤホンを2秒ロングタッチ |
手動ペアリング | 充電ケースのボタンを3秒長押し |
SIri / Googleアシスタント | 右のイヤホンを3回タッチ |
ゲームモード オン / オフ | 左のイヤホンを3回タッチ |
イヤホンのタッチセンサーによる操作の種類も豊富にあり、これらを覚えて利用することで非常に快適に音楽鑑賞を楽しむことが出来ます。なお、すべての操作を無効にすることはできますが、タッチ操作のカスタマイズは不可能です。
SOUNDPEATS Air4 Pro は専用アプリに対応
アプリは非常に見やすく直感的な操作が可能
AndroidとiOSどちらも公式アプリに対応しており、様々な操作をこのアプリ上ですることができます。「タッチキーのワンクリック機能を無効にする」という機能が優秀で、頻繁にタップで誤作動させてしまう筆者はよくオンにして使用しています。
プリセットイコライザーやカスタマイズイコライザーを使用可能
イコライザーについては多くの種類のプリセットや、自分で手動で調整のできるカスタマイズがあります。
また、アダプティブイコライザーなるものが存在します。アプリ内でユーザーの聞こえる音域をテストし、その結果を元に自動でカスタマイズされたイコライザーを使用することができるようになります。
私はプリセットの「SOUNDPEATSクラシック」を使用しています。
ファームウェアアップデートに対応
アプリ上でファームウェアのバージョン確認及びアップデートの実行が可能です。
SOUNDPEATS
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SOUNDPEATS Air4 Pro はIPX4の防水規格に対応
本機はイヤホンのみではありますが、防水規格『IPX4』に対応しています。雨や汗程度であれば故障する心配はありません。
IPX4:あらゆる方向からの水の飛まつを受けても有害な影響を受けない。
SOUNDPEATS Air4 Pro の欠点は3つ
公式では「最新実用機能全部入りの自信作」と謳っていますが、多くのTWSを触ってきた筆者が思う本機の欠点は下記の通りです。もちろんバッテリー周りの欠点は軽量モデルであるが故に致し方のないことですが、タッチ操作についてはすべてのSOUNDPEATS製品に言えることなので、早いこと対応してほしいなと切に願うばかりです。
・ワイヤレス充電非対応
・バッテリー性能が貧弱
・タッチ操作のカスタマイズが不可
長時間使用に向いている!と評価しましたがバッテリー性能は欠点として挙げている点、自家撞着していることは理解してます。
SOUNDPEATS Air4 Pro の価格
Amazon定価
⇒ 8,480円
まとめ:多くの新技術を身にまとったアンダー1万円の優等生TWS
この【SOUNDPEATS Air4 Pro】は、「Adaptive ANC」「aptX Voice」「aptX Adaptive」などといった新技術を多く備え、音楽再生のみならず音声通話の音質にも長けたTWSの優れものです。使っていても疲れにくい本体の軽さや強力で自動調整されるANCもあり、通勤通学などで電車利用される人には最適なイヤホンであると言えるのではないでしょうか。TWSを専門に長年腕を磨いてきたSOUNDPEATSが造る渾身の集大成、価格も手に取りやすくお勧めの逸品です。