ALLDOCUBEは2023年5月に8.4インチタブレットの【ALLDOCUBE iPlay50 mini】をリリースしました。いままでの8インチクラスのAndroidタブレットは用途が限られるような低性能の製品が多かったですが、本機はスタイリッシュで実用的で、そして安価な価格設定で登場をしたため話題となりました。同年7月末より日本のAmazonでも取り扱いがスタートとなった【ALLDOCUBE iPlay50 mini】を入手しました。なぜ「実用的なのに安価」を実現できたのか、ここに詳細にレビューを致します。
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ALLDOCUBE iPlay50 mini のスペック
機種名 | ALLDOCUBE iPlay50 mini |
カラー | ・グレー |
ストレージ | 64GB microSD:512GB迄対応 |
メモリ | 4GB 8GB拡張可能 |
サイズ | 高さ:202.7mm 幅 :126.0mm 厚さ:7.5mm 重量:292g |
ディスプレイ | 8.4インチ IPS液晶 解像度:FHD+(1200 × 1920) 画面密度:270PPI 画面輝度:300nit 画面比率:16:10 画面占有率:83% リフレッシュレート:60Hz |
プロセッサ | UNISOC T606 AnTuTu 約24万点 |
バッテリー | 4,000mAh 10W 有線充電 Type-C |
カメラ | アウトカメラ 5MP インカメラ 5MP |
サウンド | シングルスピーカー 3.5mmイヤホンジャック |
生体認証 | - |
対応バンド | デュアルスロット 【3G】 W-CDMA:1/2/4/5/8 【4G】 FDD-LTE:1/2/3/5/7/8/20/28 TDD-LTE:38/40/41 |
Wi-Fi | 2.4GHz + 5GHz |
Bluetooth | 5.0 |
位置情報 | GPS , Beidou , Glonass , Galileo |
センサー | |
防水規格 | - |
OS | Android13 |
その他 | Widevine L1 ※Netflix× スタイラスペン対応 技適対応 |
ALLDOCUBE iPlay50 mini は高級感ある素材と持ちやすい設計
開封・同梱品の紹介
安価な価格設定の端末のためか、パッケージにはお金をかけていない印象を抱いてしまう白の厚紙で作られたペラペラの化粧箱で梱包されています。機種名やスペック等詳細すら記載されておらず、非常にシンプルなデザインとなっています。
内容物はタブレット本体と充電器と充電ケーブル、そしてSIMピンと取扱説明書のみです。
日本のコンセントに対応した10Wの速度の充電器です。
本体外観の紹介
本体の背面素材はアルミのような金属で作られています。以前レビューした8インチタブレットの【Blackview Tab5】は樹脂素材であったため非常にチープな見た目でしたが、本機は高級感を感じることのできる外観となっています。
背面下部にはメーカー名や印字されています。そのほかの情報はシールで貼り付けてあり、容易に剥がすことが可能です。日本のAmazonで購入した端末は、技適マークが追加されたシールに貼り替えられています。
グルンさんより情報をご提供いただきました!
アウトカメラは1眼のみで、他社タブレットのようにフェイクカメラはありません。非常にシンプルで好印象な外観と言えるでしょう。
上部側面は充電口のみを備えます。
そして下部側面にはスピーカー。
背面向かって右側には3.5mmのイヤホンジャックとマイク穴、そしてSIMトレー。
背面向かって左側には電源ボタンと音量ボタンがあります。
電源ボタンと音量ボタンの配列順はピクセル系と同じで、電源ボタンが上に位置します。
保護フィルムは初期装備
本体ディスプレイ面には初めから画面保護フィルムが貼り付けてある状態でした。
ありがたいですが、非常に指の滑りがわるく指紋がつきやすいです。別途調達することをお勧めします。
オプションで専用カバーやスタイラスペンを追加購入が可能
アリエクスプレス内メーカー公式ショップでは、購入時にオプションとして専用のカバーとスタイラスペンを追加購入することができます。筆者は専用カバーを購入しました。質もデザインもよく気に入っていますが、残念ながらカバーの開閉に合わせて画面がON / OFFする機能はありませんでした。
本体重量は296gと超軽量設計
公称値は292gですが、筆者が実測した値は296gでした。画面保護フィルム分が公称値との差であると思われます。同じ8インチタブレットの【Blackview Tab5】や【Blackview Tab6】よりも圧倒的に軽く、【iPad mini 6】とほぼ同じ重量となります。
めちゃくちゃ軽いです。
オプションの専用カバーを装着した状態でも500gを大きく下回り、大変扱いやすい重量であると言えます。
薄くて細いため持ちやすさも抜群
横幅は約126mm、厚みは約7.5mmと片手でしっかりと持てるサイズ感です。特に厚みがとても薄いため、カバンの中に入れてもかさばることなく持ち運ぶことができます。
これぞ、8インチタブレットの強み!
【iPad mini 6】より横幅が小さく、持ちやすさは本機に軍配が上がります。
iPadと同じような質感で、背面の高級感はほぼ同一です。
ALLDOCUBE iPlay50 mini はFHD+の高解像度IPS液晶ディスプレイを搭載
ディスプレイの性能はお値段以上
1万円前半の本体価格に見合わず、高解像度かつそこそこ狭いベゼルのディスプレイを備えています。発色についても不満はなく、非常に綺麗なディスプレイであると言えます。
屋外では視認性の低い低輝度ディスプレイ
また、画面輝度は300nitとタブレットやスマートフォンのディスプレイとしては最低レベルですが、主に屋内で使用するタブレットとしては必要十分の明るさであると言えます。
画面リフレッシュレートは60Hzのみ
本機の画面のリフレッシュレートは60Hzのみです。
ALLDOCUBE iPlay50 mini のストレージ容量はSDカードにより拡張可能
プリインストールアプリはほぼGoogle系のみ
初期状態でインストールされているアプリは少なく、そのほとんどがGoogle系や実用的なアプリのみとなっています。
ストレージ容量は64GB中の約10GBが使用中
Xiaomiなどのスマートフォンでは初期アプリやシステムだけで20GB以上のストレージ容量を圧迫しているケースがありますが、本機IはシンプルなOSと少ない初期アプリのおかげで初期状態における使用中のストレージ容量は約10GBのみと非常に少ない状態となっています。また、microSDカードに対応しているため、容量が足りない場合は外部メモリを活用するようにしましょう。
ALLDOCUBE iPlay50 mini はコンテンツ消費に最適な処理能力を備える
AnTuTuベンチマークテスト(V10 lite)の結果
SoCに「UNISOC T606」を搭載しているこの端末は、AnTuTuベンチマークテストVersion10.0.3(lite版)にて約24万点を記録します。SNSの閲覧や動画鑑賞などのコンテンツ消費には問題ない処理能力で、快適な動作を実現します。しかし、原神などのような3Dグラフィックを用いたゲームではあきらかに性能不足であり、コンテンツ消費が最適なタブレットであると言えます。
⇩AnTuTu V10のタブレットスコア結果⇩
機種名 | スコア | プロセッサ |
ALLDOCUBE iPlay60 mini Turbo | 538,874 | Qualcomm Snapdragon 6 Gen 1 |
ALLDOCUBE iPlay60mini Pro | 404,542 | MediaTek Helio G99 |
Headwolf FPad5 | 391,297 | MediaTek Helio G99 |
ALLDOCUBE iPlay50mini Pro NFE | 383,417 | MediaTek Helio G99 |
ALLDOCUBE iPlay60 lite | 280,367 | UNISOC T606 |
Redmi Pad SE 8.7 4G | 271,720 | MediaTek Helio G85 |
ALLDOCUBE iPlay50 mini | 246,689 | UNISOC T606 |
HiGrace C107 | 186,642 | Allwiner A523 |
TECLAST P85T | 166,026 | Allwiner A523 |
UMIDIGI G1 Tab mini | 131,438 | Rockchip RK3562 |
Blackview Tab 5 | 6,7174 | Rockchip RK3326S |
「ツイッター」の挙動をチェック
前述している通り、SNSでは問題ないだけの能力のあるSoCを搭載しているため、ツイッターの動作についても快適に動作をしてくれます。
「Kindle」の挙動をチェック
また、8インチタブレットの用途として最適な「Kindle」を使用した読書についても、全く問題ありませんでした。
端末のサイズ感も良く、読書に最適のタブレットな気がします!
設定でRAM容量を追加可能
設定より仮想メモリを設定することが可能となっており、本機は最大で8GB拡張できます。もともとのメモリ容量は4GBのため、この設定をすることで3倍ものメモリ容量を実現します。
空きストレージ容量を活用するため、データをたくさん保存してしまうと機能しないので注意です。
ALLDOCUBE iPlay50 mini のバッテリー容量及び駆動時間は少なめ
バッテリー容量は4,000mAhとスマホ並
バッテリーテストは「PCMark for Android」にて、画面リフレッシュレート60Hz、輝度音量共に50%固定して実施しました。その結果、バッテリー残量100%から20%になるまでに7時間27分を要しました。つまり0%になるまで使用を続けた場合は約9時間18分かかる計算となります。本来タブレットはスマートフォンより多くのバッテリー容量となることが多いのですが、本機は薄さや軽さ、価格を優先しているようでバッテリーサイズはスマートフォン並みの小容量となっています。スマートフォンより大きなディスプレイで、バッテリー消費も多くなってしまうため、駆動時間は少し物足りない結果となりました。
⇩タブレットバッテリーテスト記録⇩
機種名 | 記録時間 | バッテリー容量 |
ALLDOCUBE iPlay60 mini Turbo | 20時間8分 | 5,500mAh |
ALLDOCUBE iPlay60 lite | 13時間39分 | 8,000mAh |
Headwolf FPad5 | 13時間35分 | 5,500mAh |
Blackview Tab13 | 12時間41分 | 7,280mAh |
Blackview Tab11 | 11時間43分 | 6,580mAh |
Blackview Tab6 | 11時間16分 | 5,580mAh |
ALLDOCUBE iPlay60mini Pro | 11時間15分 | 6,050mAh |
ALLDOCUBE iPlay50mini Pro NFE | 10時間10分 | 5,000mAh |
Blackview Tab12 | 9時間11分 | 6,580mAh |
ALLDOCUBE iPlay50 mini | 9時間18分 | 4,000mAh |
Blackview Tab5 | 9時間1分 | 5,580mAh |
TECLAST P85T | 8時間2分 | 5,000mAh |
UMIDIGI G1 Tab mini | 7時間38分 | 5,000mAh |
HiGrace C107 | 6時間21分 | 5,000mAh |
充電速度は10W
充電速度は10Wの充電速度に対応しています。
バッテリー容量が少ないので10Wでも十分早く充電完了します。
ALLDOCUBE iPlay50 mini のスピーカーはシングルで低音が弱く篭り気味
低音に弱いシャカシャカスピーカー
本機のスピーカーは端末を縦に持った時の下部に位置し、シングルスピーカーとなります。音楽を聴いた場合は低音が弱くシャカシャカした音になり、音声を聴いた場合は籠って聞こえてしまう傾向にあり、質の低いスピーカーと言わざるを得ません。
価格相応といえば、そう。
3.5mmイヤホンジャックを搭載 Bluetoothにも対応
本体の上側面に3.5mmのイヤホンジャックを搭載し、またBluetoothにも対応しています。スピーカーの音質をカバーするために、有線もしくは無線イヤホン・スピーカーを使用することをお勧めします。
ALLDOCUBE iPlay50 mini は生体認証に非対応
本機は顔認証もしくは指紋認証システムに非対応となります。端末にロックをかける場合はPINやパスワード、パターンを解除する必要があります。
ALLDOCUBE iPlay50 mini のカメラは解像感が低くガラケー画質
アウトカメラ(5MP)
アウトカメラは1つのみのシングルカメラ。5MPとスペックが低く、撮影した写真は解像感が低く立体感のない画像となってしまいます。
タブレットに写真性能を求める人は少ないことと思いますが、まるで実用的なカメラではないので、要注意です。
インカメラ(5MP)
インカメラはアウトカメラと同じ5MPのセンサーを採用しています。写真性能としてはアウトカメラと同じですが、ビデオ通話をする分には全く問題のないスペックであると言えます。
ALLDOCUBE iPlay50 mini の動画撮影は写真同様低画質
本機の動画性能については一応1080pに対応していますが、写真同様に画質が低くまるでガラケーの様な映像となってしまいます。手ぶれ補正も全く効かないため、思い出を残すための大事なシーンでは本機をカメラとして使用しない様にしましょう。
ALLDOCUBE iPlay50 mini はSIMカードによる通信が可能
2枚のSIMで同時に通信が可能なデュアルSIMに対応
SIMカードによる通信が可能で、同時に2回線を同時に運用することができます。対応バンドとしては狭く、docomo系やau系の回線の場合はプラチナバンドに非対応となり、山間部や建物の中でつながりにくくなる場合があります。
【3G】
W-CDMA:1/2/4/5/8
【4G】
FDD-LTE:1/2/3/5/7/8/20/28
TDD-LTE:38/40/41
技適はしっかりと対応
現在は日本のアマゾンでも販売されており、技適にも対応しています。
VoLTE・通話について
筆者はdocomoのahamoの物理SIMを使用して通信してみました。SIMを挿しただけで自動的にアクセスポイントが設定されて、4Gによる通信が可能となりました。しかし、UNISOCのSoC搭載端末では共通事項となりますが、VoLTEは下記操作を行わないと使用することができませんでした。
・標準電話アプリで「*#*#83781#*#*」を入力。
・TELEPHONYタブの「VoLTE/VoWIFI Setting」をタップ。
・「Volte Enable」と「Volte WhiteList Enable」をオンに変更。
・再起動。
この操作は自己責任でお願いします。
ただし、VoLTE開放後も通話をすることができませんでした。設定の「通話」の項目はグレーアウトしており触ることができず、本機は通話に対応していない可能性があります。しかし、電話番号を使用したメッセージの送受信については可能です。
ALLDOCUBE iPlay50 mini はGPSに対応も防水防塵性能はなし
カーナビとしても利用可能
本機はGPSに対応しており、位置情報の取得が可能です。コンパクトなタブレットであるため、車載してカーナビとしても利用しやすい設計です。
防水防塵性能はなし
残念ながら防水防塵性能についてはありません。お風呂や荒天時の屋外での使用は控えましょう。
ALLDOCUBE iPlay50 mini はWidevine L1ながら対応コンテンツは限定的
本機はサブスク系映像コンテンツを高画質で見るために必要となる「Widevine L1」に対応しています。
しかし、すべてのコンテンツが高画質再生に対応しているわけではなく、一部サービスにおいて非対応となっている様です。上記画像内に記載のあるサービスは問題ありませんが、「ネットフリックス」は非対応です。
ALLDOCUBE iPlay50 mini の価格
Amazon定価
⇒ 16,999円(2023.7.27発売)
アリエクスプレスセール価格(参考)
⇒ 89.99ドル(約13,518円)
※2024年2月18日現在の為替による価格です。
まとめ:メリハリの効いた実用的で安価な8インチタブレット
本機はハード面において、必要な機能と必要ではない機能のスペックの差が大きく、しっかりとメリハリを効かせたタブレットであると感じました。具体的に言うと、スタイリッシュでディスプレイは綺麗で力強い処理性能を備えている一方で、バッテリーやスピーカーやカメラはイマイチであるということです。このメリハリこそ本機が「実用的なのに安価」な製品に感じることができる理由と言えるでしょう。そして現在、この【ALLDOCUBE iPlay50 mini】の影響で、8インチタブレット市場が盛り上がっており多くのメーカーが商品を展開しています。しかし、安価で入手性が良く、最低限仕様することができるスペックを備えているタブレットは間違いなく本機と言えるでしょう。