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【Xiaomi ポータブルフォトプリンター Pro レビュー】1Sの「トイ感」は卒業。昇華型“Pro”の実力は

2025年11月15日

 以前レビューした「Xiaomi Portable Photo Printer 1S」は、ZINK方式の手軽さとシールとしての楽しさを高く評価しました。しかし同時に、その画質は「記録」や「鑑賞」というよりは、手帳デコやスマホケースを彩る「トイカメラ」的な楽しさの域を出ない、という評価に落ち着きました。

 「スマホで撮ったあの決定的な瞬間を、もっと“作品”として、色褪せない“写真”として残したい」。

 高まるこうしたニーズに応えるべく、Xiaomiが日本市場に投入したのが、今回レビューする「Xiaomi ポータブルフォトプリンター Pro」です。

 この「Pro」という名は、単なるアップグレードを意味しません。これはXiaomiが、プリンター市場における戦略を根本から変えたシグナルです。印刷方式は、1SのZINKから、プロ仕様の「昇華型プリント」へと完全に刷新されました。

 本レビューでは、この「Xiaomi ポータブルフォトプリンター Pro」が、1Sの機動性と手軽さと引き換えに何を得たのか、徹底的に検証していきます。

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田舎団子
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「Pro」と「1S」の徹底比較:それは“Pro”なのか、それとも“別物”か?

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 まず結論から言えば、この「Pro」は「1S」の上位互換機ではありません。ターゲットも用途も根本的に異なる、“全くの別物”です。

なぜ「Pro」なのか? 印刷方式がすべてを変えた

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 「Pro」をProたらしめている最大の要因は、その根幹をなす印刷技術にあります。

 1Sが採用していたZINK(Zero Ink)方式は、インクカートリッジを必要とせず、専用の感熱紙に熱を加えることで発色させる手軽さが魅力でした。しかし、その反面、色の正確な再現性や、光や熱による経年劣化(色褪せ)に対する耐久性には限界がありました。

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 一方、この「Pro」が採用したのは昇華型熱転写(4Pass)方式です。これは、専用のインクカートリッジ(リボン)を使用し、イエロー、マゼンタ、シアンの3色を順番に紙へ熱転写していく方式です。

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 そして、「Pro」の核心とも言えるのが、3色の印刷後に施される最後の4パス目、「自動ラミネート加工」です。

 この透明な保護オーバーコート層が、ZINKの弱点であった耐久性を劇的に改善します。「経年劣化に強く、色褪せにくい写真仕上げ」を実現し、指紋や水滴、そして何より光による色褪せから写真を守ります。これこそが、単なる「記録」ではなく「保存」するための技術と言えます。

Xiaomiポータブルプリンター「Pro」 vs 「1S」

 両者の違いは、以下の通りです。

比較項目Xiaomi ポータブルフォトプリンター Pro (本機)Xiaomi Portable Photo Printer 1S
印刷方式昇華型熱転写 (4Pass)ZINK (Zero Ink)
特徴高解像度, 自動ラミネート加工手軽, シール紙
印刷サイズ3インチ (チェキサイズ/シール) 3インチ (チェキサイズ/シール)
1枚あたりコスト約57.6円 (50枚パック時) 約64円
本体価格15,800円 (税込)8,980円
接続アプリXiaomi HomeXiaomi Home
主な用途写真アルバム, 長期保存, 作品づくり手帳デコ, スマホケース, 手軽なシェア

Xiaomi ポータブルフォトプリンター Pro は前作より質感は向上も携帯性は低下

開封〜内容物の紹介

 パッケージデザインは、白を基調としたシンプルでクリーンなデザインです。しかし、前作「1S」と酷似しているため、購入の際はモデル名(Pro)を必ず確認するよう注意が必要です。

 パッケージの背面や側面には多言語で製品説明が記載されていますが、日本語の表記はありませんでした。

 内容物についても、パッケージデザイン同様にシンプルです。

  • プリンター本体
  • USB Type-C充電ケーブル
  • 取扱説明書
  • フォト用紙パック(10枚)
  • インクカートリッジ(写真10枚分)

 昇華型プリンターはインクと紙が別ですが、最初から10枚分のお試しセットが同梱されているのは評価できます。

田舎団子
田舎団子

後述しますが、本機はペーパーとインクカートリッジは常にセットで交換します。

本体デザインと質感

 本機はホワイト色のみの展開です。表面はレザー調の樹脂素材で、側面はシルバーの光沢感のある樹脂素材で構成されています。コストは抑えられている様子ですが、非常に高級感を感じることができる設計となっています。

 周囲にはTypeCの充電口やLEDインジケーター、物理の電源ボタンを備えています。

 フォトペーパーの排出口付近には「DESIGNED BY XIAOMI」の印字が施されており、おしゃれさを演出しています。

 背面にはフォトペーパー収納スペースがあります。

 公式ウェブサイトでは、「手軽に持ち運べる 高速印刷 片手に収まるコンパクトサイズ」「バックパックや上着のポケットにもすっきり収納」と謳われています。

 しかし、本機はインクカートリッジを内蔵する昇華型です。その構造上、前作「1S」よりもわずかに「厚く」「重く」なります。競合となる Canon Selphy QX10CP1500と比較すればコンパクトかもしれませんが、謳い文句にある「上着のポケット」は現実的ではないでしょう。

 Xiaomiの言う「ポータブル」とは、1Sの「常時携帯性(ポケットサイズ)」とは一線を画します。これは、Canon Selphy QX10CP1500と同様に「室内の移動(テーブルトップ)」や「旅行やイベントにカバンに入れて持ち運ぶ」ことを指すと解釈すべきです。

Xiaomi ポータブルフォトプリンター Pro のセットアップと「Xiaomi Home」アプリの使い勝手

Xiaomiエコシステムの強み

 プリンターへの接続は、前作1Sと同じ「Xiaomi Home」アプリを使用します。接続はBluetoothで行われ、アプリからデバイスをシームレスに認識・追加できます。

 特に前作「1S」からの乗り換えユーザーや、画質重視のProとシール用の「1S」を併用したいユーザーにとって、管理アプリが統一されている点は、使い勝手の上で非常に大きなメリットとなります。

米家

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「遊び」はProの高画質でどう活きるか?

 Xiaomi Homeアプリには、“遊び”の機能が満載です。

  • 動画フォト「素敵な思い出が目の前に」

 スマートフォンに保存されている動画を選択し、その動画の中からお気に入りのシーンを3秒から15秒の長さでトリミングします。次に、このクリップした動画から静止画を1枚作成するか、あるいは別の写真を選択し、フォトプリンターで印刷します。この印刷した写真をアプリからスキャンすることで、クリップした動画が写真上で再生される仕組みです。

  • 音声付き写真「音とともによみがえる幸せな時間」

 動画フォトと似ていますが、印刷した写真をアプリを通してスキャンすると最大60秒の音声が再生される仕組みです。これらは、権限のある家族や友人もスキャンすることでコンテンツにアクセスすることが可能です。

  • マルチユーザー対応のBluetooth共有「思い出をいつでも印刷」

 これはXiaomi Homeアプリの「デバイス共有」機能を指し、最大3人まで同時にプリンターを使用できます。ホームパーティや家族旅行の際、ホストのスマホに皆が写真を送る必要はなく、招待された各々のスマホから直接印刷指示が出せます 。

  • フレームとウォーターマーク、楽しいテンプレート「実用的で、遊び心も満載」

 スマートフォンで撮影した写真には、端末情報を示すウォーターマーク(透かし)が自動で追加されます。また、他のアプリや場所からアップロードした写真には、Xiaomi Homeのブランドウォーターマークが付きます。

 Xiaomi Homeアプリ内では、さらに多くのコラージュテンプレートが利用可能です。お子様やペットの写真をかわいいフォトステッカーにしたり、恋人とのロマンチックなフォトストリップを作ったりと、様々なクリエイティブな表現を楽しめます。

田舎団子
田舎団子

アプリも使いやすく、簡単にカスタマイズすることが可能です!

Xiaomi ポータブルフォトプリンター Pro の印刷品質と速度の実機検証

印刷プロセス:ZINKとの決定的な違い

 アプリから印刷ボタンを押すと、本機はメカニカルな音を立てて動作を開始します。ZINKのように一度で紙が出てくるのではなく、フォトペーパーがプリンターの排出口から「出ては、戻る」を繰り返します。

 印刷動作

  • 1パス目:イエローが転写される
  • 2パス目:マゼンタが重ねられる
  • 3パス目:シアンが重ねられる
  • 4パス目:透明な「自動ラミネート加工」が施される

 この一連の動作(4Pass)こそが、高画質と高耐久性の源泉です。1S(ZINK)の瞬発力はありませんが、写真が仕上がっていくプロセスを眺める楽しさがあります。

画質レビュー:1S(ZINK) vs Pro(昇華型)

左:1S 右:Pro

 同じ写真を1S(ZINK)とPro(昇華型)で印刷し、並べて比較します。

 1Sのプリントは、ZINK特有の淡い色調で、特に赤や肌色の再現が不自然になりがちでした。一方、Proで印刷された写真は、まさに「写真」です。Xiaomiが謳う「高解像度印刷」「鮮明なディスプレイ(のような)」「正確な色彩の再現」は伊達ではありません。

 スマホの有機ELディスプレイで見た鮮やかな色彩と、プリントアウトされた写真の色がどれだけ近いか。Proの画質は、この「色再現性」において、1Sとは比較にならないレベルに達しています。

Xiaomi ポータブルフォトプリンター Pro およびフォトペーパー・シールの価格

本体価格

本体価格15,800円

フォトペーパー・フォトシール価格

フォトペーパー50枚セット

  • 用紙価格2,880円 (ペーパー50枚セット)
  • 1枚あたりのコスト57.6円

フォトペーパー20枚セット

  • 用紙価格1,280円 (ペーパー20枚セット)
  • 1枚あたりのコスト64円

フォトシール50枚セット

  • 用紙価格3,880円 (シール50枚セット)
  • 1枚あたりのコスト77.6円
消耗品名パック枚数価格 (税込)1枚あたり単価 (円)
昇華型フォトペーパー50枚2,880円57.6円
昇華型フォトペーパー20枚1,280円64.0円
昇華型フォトシール50枚3,880円77.6円

「昇華型フォトステッカー」の存在

 コスト表の中で、見過ごせない選択肢となるのが「Xiaomi ポータブル昇華型フォトステッカー」(50枚組 3,880円)です。

 これは、1S(ZINK)の「シール」という手軽さと、Pro(昇華型)の「高画質・高耐久」を両立させた、非常にユニークな消耗品です。1枚あたり約77.6円と高価ですが、「高画質で、色褪せず、しかも貼れる」という特性は、ラミネート加工のないZINKシールでは実現できません。

 スーツケースやPC、バイクのヘルメットなど、耐久性が求められる場所に貼るステッカーを高品質で自作したい、というニッチながらも確実なニーズに対し、唯一無二のソリューションとなり得ます。

まとめ:「Pro」の名に偽りなし。Xiaomiが投じた、高画質ポータブルプリンターへの「本気の一投」

 「Xiaomi ポータブルフォトプリンター Pro」は、1Sの「トイカメラ」の楽しさから卒業し、「スマホ写真のアーカイブ(保存)」という、よりシリアスな領域に踏み込んだXiaomiの本気を示す製品です。

 「自動ラミネート加工」による高画質と圧倒的な保存性、Xiaomi Homeをハブとしたエコシステム連携、そして王者Selphyに匹敵するランニングコスト。ポータブルフォトプリンター市場において、極めて強力な選択肢が登場しました。

このプリンターをお勧めする人

Xiaomi ポータブルフォトプリンター Pro がおすすめな人

  • 1S(ZINK)の画質に満足できず、色褪せない本物の「写真」が欲しい人。
  • スマホで撮った写真を、高画質の“作品”としてアルバムに残したい人。
  • Canon Selphyを検討していたが、PC接続やSDカード印刷よりも、スマホからの印刷体験(ARやマルチユーザー共有)を重視する人。
  • すでにXiaomiエコシステムのユーザーである人。

Xiaomi Portable Photo Printer 1S がおすすめな人

  • 画質よりも、手帳やスマホケースに貼る「シール」としての手軽さが欲しい人。
  • トイカメラ的な「味」を楽しめる人。

Canon Selphy を選ぶ人

  • 長年の実績に裏打ちされた「信頼性」と、PC接続やSDカードダイレクト印刷など、印刷の「堅実さ」を求める人。
  • スマホの画面(鮮やか)よりも、落ち着いた「忠実な色再現」を好む人。

待望の「作品級」画質を手に入れた新定番

 【Xiaomi ポータブルフォトプリンター Pro】は、1Sの「シール」という手軽さを引き継ぎながら、「写真作品」と呼べる高画質と長期保存性を実現した、まさに“Pro”の名にふさわしい一台です。

 印刷体験のすべてがスマホで完結しARフォトのような「楽しさ」も両立させている点は、既存のフォトプリンターにはない明確な魅力と言えます。

 特に、すでにXiaomiエコシステムに属しているスマホユーザーであれば、積極的にこのプリンターを選ぶ理由がそこにあります1Sの画質に不満があったユーザーにとって、これは待望の「答え」となる製品です。

 これは、Xiaomiが高画質ポータブルプリンター市場に投じた、非常に強力な第一投となるでしょう。

引用(

  • この記事を書いた人

田舎団子(イナカダンシ)

新潟県田舎在中のガジェットレビュアー。スマートフォン・タブレット・TWS等ガジェットを中心にレビューします!

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