最近注目を集めている「ながら聴き」に対応したオープンイヤー型イヤホン市場に、UGREENが【UGREEN HiTune S3】を投入しました。充電関連アクセサリーで実績のある同社が、快適性と周囲の音を両立させるオープンイヤー型イヤホン市場に参入するのは、ユーザーニーズの高まりと手頃な価格帯でのシェア獲得を目指す戦略的な動きと見られます。
HiTune S3は、耳を塞がないイヤーカフ型のデザインによる快適な装着感と、3,000円台という手頃な価格が特徴です。本レビューでは、この【UGREEN HiTune S3】の日常使いでの実力を徹底検証します。



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UGREEN HiTune S3 のスペック

機種名 | UGREEN HiTune S3 |
色 | ・ブラック |
寸法・重量 | イヤホン重量 :約5.3g(片側) |
ドライバーサイズ | 12mmダイナミックバイオダイアフラムスピーカー |
対応コーデック | SBC、AAC |
Bluetooth | バージョン:5.4 通信範囲:10m |
バッテリー | バッテリー容量:500mAh(ケース) ,50mAh(イヤホン) 最大再生時間:30時間(イヤホン単体7.5時間) |
充電仕様 | 充電時間:約2時間(ケース) , 1.5時間(イヤホン) 充電ポート:USB Type C |
ノイズキャンセリング | ENCノイズキャンセリング |
防水規格 | IPX5(イヤホンのみ) |
その他 | ゲームモード(0.06s) |
UGREEN HiTune S3 はアクセサリー感の少ないさりげなく使用できるイヤーカフイヤホン
開封〜パッケージの紹介

【UGREEN HiTune S3】のパッケージは、ブランドイメージを反映したシンプルかつ堅実なデザインです 。

同社充電器などと同じく、パッケージは日本語に非対応です。ローカライズを省くことで費用を抑え、低価格を実現していることが伺えます。

今の時代、店頭で商品を買う割合は少なく、パッケージは英語のみでも全く問題ありませんね!
内容物の紹介

同梱物は、イヤホン本体、充電ケース、充電用のUSB Type-Cケーブル、そして取扱説明書です。ワイヤレスイヤホンとして必要十分な内容物が揃っています。
本体外観の紹介

充電ケースは小ぶりで丸みを帯びた形状です。カラーはマットブラックのみで、正面にはメーカー名のロゴとLEDインジケーターを備えます。

背面にはUSB Type-C充電ポートを備えています。ヒンジや蓋の縁にも装飾は一切なく、格安TWSらしいシンプルなデザイン設計となっています。
イヤホンは置くように収納が可能

イヤホンは充電ケースに磁力で吸着するため、収納時にパチッと吸い込まれるように収まります。
また、蓋の内側には技適認証マークが記載されており、日本国内でも安心して利用できることが分かります。

LEDインジケーターでは充電状況やバッテリー残量を確認することができます!
イヤホン本体はのシンプルなデザインでアクセサリー感は少な目

イヤホン本体は、C字型のイヤーカフデザインが採用されいます。素材は充電ケースと異なり、光沢のある樹脂素材を採用しています。質感は価格を考慮すれば良好です。
イヤホン本体には、スピーカーのほかにマイクや充電端子、タッチセンサーが搭載されています。イヤホン本体の充電状況を確認できるLEDチップは非搭載です。

【QCY Crossky C30】のように装着時のアクセサリー感は低めですね。さりげなく使用したい人には最適です。

装着は丸く小さい形状のほう方を耳の内側にかけます。前後をつなげるケーブル部は柔軟性があるため、脱着は容易でどんな耳の形状にもフィットします。
また、クリップ式デザインなので、耳の穴を塞がず、圧迫感を感じさせません。これにより、ランニングやサイクリング中でも周囲の音を聞きながら安全に音楽を楽しめるほか、オフィスでの「ながら聴き」にも最適です。

筆者個人的には、数時間使い続けても耳が痛くならなかったです!お気に入り( *´艸`)
イヤホンとしての重量は標準的

イヤホン本体の重量は公称値5.3g、実測値5.2gでした。同価格態、同形状の【QCY Crossky C30】と同じ重量でした。イヤーカフイヤホンとしては標準的な重量であると言えるでしょう。

イヤホン込みの充電ケース重量は50gを余裕で下回り、かつ、コンパクトな設計でポケットなどに入れても邪魔になりにくく、携帯性に優れています 。

長時間使用していますが、重いと感じたことはありません。
UGREEN HiTune S3 は付加価値こそ少ないが基本性能は文句なしのスペックを備える
Bluetooth 5.4搭載で安定接続&低遅延を実現

【UGREEN HiTune S3】のBluetoothのバージョンは最新の5.4に対応しており 、ペアリングはスムーズで接続も安定しています。人混みなど電波が混線しやすい環境でも、音飛びや途切れはほとんど感じられませんでした。
ゲームモード搭載でゲーム時に気になる遅延低減を実現

また、0.06秒の低遅延を実現するというゲームモードも搭載されています 。オープンイヤー型であるため外部の音が聞こえやすく、ゲームへの没入感という点では密閉型に劣るため、本格的なゲーミング用途というよりは、カジュアルなゲームや動画視聴に適していると考えられます。
イヤホン単体で7.5時間の連続再生が可能

本機のバッテリー性能は、イヤホン単体で最大7.5時間、充電ケースとの併用で最大30時間の再生が可能です。1日中音楽を聴き続けるようなヘビーユーザーでなければ、数日に一度の充電で十分対応できるでしょう。このバッテリー持続時間は、同価格帯の製品と比較しても遜色なく、むしろ優れている部類に入ります。

本機はIPX5等級の防水性能を備えています 。これは「あらゆる方向からの噴流水による有害な影響がない」ことを示すもので、ランニング中の汗や、突然の雨といった状況でも安心して使用できるレベルです。
タッチコントロールに対応
本機は、「直感的なタッチセンサーパネル」を搭載しています。具体的な操作方法は以下の通りです。
操作 | 機能 |
左右シングルタップ | 再生/一時停止 |
右1秒間長押し | 次のトラック |
左1秒間長押し | 前のトラック |
右ダブルタップ | ゲームモード / 音楽モード切替 |
左右ダブルタップ | 通話に応答 / 終了 音声アシスタントを起動 |
左右1秒間長押し | 着信拒否 |
なお、専用アプリがないため、ボタン操作のカスタマイズは不可能です。
付加価値が少ない点は安価な価格とのトレードオフ
前述の通り、専用アプリは提供されていません 。そのため、イコライザー調整やタッチ操作のカスタマイズは不可能です。この点は、音質や操作性を自分好みに細かく設定したいユーザーにとってはデメリットとなるでしょう。
その他にも、マルチポイント接続や脱着検知機能、ワイヤレス充電等は非対応です。
本機の機能性は、コアな部分(安定した接続性、低遅延、充電性能、防水性)に注力し、アプリ開発のようなコストのかかる付加機能は省略することで、低価格を実現していると考えられます。
UGREEN HiTune S3 は「ながら聞き」イヤホンに最適なサウンド性能を発揮
大型ダイナミックドライバーを搭載

【UGREEN HiTune S3】は、12mmの大型ダイナミックドライバーを搭載しています。一般的にダイナミックドライバーが大きいほど、低音域が強くパワフルなサウンドを再生できるとされており、本機もその恩恵を享受しています。
空気伝導サウンドテクノロジーで音漏れを大幅に低減

イヤーカフイヤホンは音漏れのしやすい形状ですが、本機は空気伝導サウンドテクノロジーにより音漏れを最大98%低減を実現しています。何と比較して98%、と謳っているかは定かではありませんが、実際に使用してみて確かに音漏れは少ないと感じました。
ただし、静かな環境で音量を上げると、周囲に音が聞こえるのは避けられません 。図書館のような極めて静かな場所での使用は、音量に細心の注意を払う必要があります。電車内など、ある程度の環境音がある場所であれば、それほど気にならないレベルでしょう。
通話時のノイズキャンセリング機能に対応

もちろん、通話にも対応しており、音楽鑑賞中にスムーズに通話に切り替えることが可能です。しっかりとENCノイズリダクション機能が働き、鮮明で快適な通話を体験することができました。
ながら聞き用イヤホンとして大活躍が期待できるTWS

総じて、【UGREEN HiTune S3】の音質は、周囲の音が自然に聞こえる「ながら聴き」に最適化されています。家事や仕事をしながら、あるいは屋外でのウォーキングやランニング中にBGMとして音楽を楽しむといった使い方には非常に適しており、安全性を確保しながら音楽を楽しめる点が大きなメリットです。
オープンイヤー型のイヤホンは、構造上、密閉型のイヤホンのような深い低音や高い遮音性を実現するのは困難です。【UGREEN HiTune S3】の音質評価においては、この設計上の特性を理解し、没入型の音楽体験ではなく、あくまでBGMや環境音との共存を目的とした製品であることを念頭に置く必要があります。

筆者は家事の最中に使用しています!最高です!
UGREEN HiTune S3 のメリット・デメリット

これまでの検証結果を踏まえ、【UGREEN HiTune S3】のメリットとデメリットをまとめます。
UGREEN HiTune S3 のメリット
UGREEN HiTune S3 のデメリット
本機の魅力は、その手頃な価格でオープンイヤー型の基本的な利便性(快適性、周囲認識)と現代的なワイヤレスイヤホンの主要機能(安定した接続、バッテリー性能)を提供している点に集約されます。一方で、音質の追求や高度なカスタマイズ性、細部の使い勝手の洗練さといった面では、価格なりの割り切りが見られます。これらのメリット・デメリットは、製品が目指す「手頃な価格でオープンイヤー体験を提供する」というコンセプトの裏返しと言えるでしょう。
UGREEN HiTune S3 がお勧めのユーザー
【UGREEN HiTune S3】は、以下のようなユーザーに特におすすめできます。
- とにかく安くオープンイヤー型イヤホンを試してみたい方: 3,000円台という価格は、このタイプのエントリーモデルとして非常に魅力的です 。
- 家事や仕事をしながら、周囲の音も聞きたい「ながら聴き」ユーザーの方: 耳を塞がないため、環境音を聞き逃さず、安全かつ便利に使用できます 。
- ランニングやウォーキングなど、屋外での運動時に安全に音楽を楽しみたい方: 車の音や周囲の状況を把握しながら音楽を楽しめます 。
- 長時間イヤホンを着けていると耳が蒸れたり、圧迫感で疲れてしまう方: 耳道を塞がない設計により、これらの不快感が軽減されます 。
- 音質にはそこまでこだわらないが、手軽に使えるワイヤレスイヤホンが欲しい方: 日常的なBGM再生やポッドキャスト聴取などには十分な音質です 。
逆に、以下のようなユーザーには、HiTune S3はあまり向いていないかもしれません。
- 音質、特に低音の迫力を最重要視する方 。
- 専用アプリでイコライザー調整や細かなカスタマイズをしたい方 。
- 非常に静かな環境で、音漏れを極限まで気にする方 。
- 耳の形状が特殊で、イヤーカフ型が合わない可能性のある方 。
本機がターゲットとするのは、「価格を重視しつつ、オープンイヤー型の快適さと利便性を求めるユーザー」と言えるでしょう。この層にとっては、音質や多機能性における多少の妥協は許容範囲内であり、それ以上に得られるメリットが大きいと考えられます。
UGREEN HiTune S3 価格
通常価格:5,999円


まとめ:オープンイヤー入門に最適な「コスパモンスター」
【UGREEN HiTune S3】を徹底的に検証した結果、これは「コストパフォーマンスに優れた、オープンイヤー入門に最適な一台」と評価できます。
もちろん、数万円クラスの高級イヤホンが提供するような至高の音質や、あらゆる機能を網羅した多機能性を期待することはできません。オープンイヤー型特有の低音の軽さや、専用アプリ非対応といった点は、価格を考慮すれば受け入れるべき割り切りと言えるでしょう。
しかし、それらの点を補って余りあるのが、3,000円台という衝撃的な価格設定、そして耳を塞がないことによる圧倒的な快適さと「ながら聴き」の利便性です。日常使いのイヤホンとして、ここまでストレスフリーに使用できる製品は、この価格帯では稀有な存在です。
特に、「オープンイヤー型イヤホンに興味はあったけれど、価格がネックで購入をためらっていた」という方々にとって、本機は最初の一台として強く推奨できます。この価格であれば、気軽に試してみる価値は十分にあるでしょう。
UGREENは、充電器やケーブルの分野で培ってきた信頼性とコストコントロールのノウハウを、オーディオ製品にも巧みに活かしている印象です。本機は、特定のニーズを持つユーザー層に対して、非常に高い価値を提供する製品と言えます。今後のUGREENのオーディオ製品展開にも期待が高まります。
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